ネパール連邦民主共和国の首都カトマンズから375キロ西に位置する中西部ベリ県のジャジャルコット郡とその周辺地域で、今年5月頃から水性下痢疾患の大発生があり、7月28日までに、約25,000人以上が治療を受け、183人が死亡している(WHO発表)。
現在、ネパール政府は感染症原因の特定を急いでおり、検査結果からは、コレラ菌や大腸菌が検出されている。
以前、ネパールに取材で訪れたことがある。
これまで東南アジアの国々に行ってもほとんど下痢などしたこがないが、ネパール滞在中、ずっと下痢だった。水が合わないのかもしれない。
ジャジャルコット郡は、最も近い空港から徒歩で4時間というアクセスの悪い貧しい地域であり、感染の大発生は、汚水に起因し、衛生知識の欠如と衛生習慣の悪さが更に追い打ちをかけている。地域では男性が仕事を求めて街に出ていることから、感染者は女性と子どもが多い。
AMDA本部では7月29日、日本人医師を派遣することを決定。
AMDAと連携協定を結んでいる岡山大学から、熱帯医学の専門家である医師1人とAMDA本部から調整員1人とが、感染地域に入り、ネパール支部スタッフと協力して、感染者の治療と衛生環境の改善に努める予定である。