ミャンマー北東部シャン州コーカン特区でミャンマー国軍側と少数民族の間で起きた戦闘で、8月29日までに避難民が国境を越えて中国雲南省の南傘に続々と入っていき国境の町は緊張が高まった。
中国側によると、コーカン特区で今月8日、地元当局が麻薬製造の疑いで武器の修理工場を摘発したことに、地元軍事組織が反発。26日に衝突が起きて、多数の住民が難民化したという。
この特区には、WFPやJICAなどの日本人6~7人が滞在しており、心配していた。
先日、メールにて日本人が全員無事だと連絡を受けた。
コーカン特区(北シャン州第一特別自治区)は、標高1,000メートル前後の急峻な山に囲まれた丘陵地帯である。コーカン特区は、その歴史上、中国との結び付きが強い地域であり、ミャンマー連邦領内でありながら中国貨幣(元)が流通しており、中国語を話すコーカン族が人口の4分の3を占めている。
また、パラウン族、ミャウンジー族、タイ族、ワ族、シャン族、リス族などの少数民族で多様性に富んだ地域でもある。
ミャンマー政府とコーカン自治当局による停戦合意後の2003年、長らく行なわれてきたケシ栽培が禁止された。しかしながら、ケシ栽培で生計を立てていた多くの住民の収入は激減し、生活は困窮し、一部の地域では深刻な食糧難に陥った。代替作物の導入などが試されたものの、それらの経済効果が限定的であったことから、住民の生活が改善するには至っていない。
日本からケシ栽培の代替作物としてソバの実の栽培などの指導を行っている。